薫くんは何があったって私を優先してくれたし、自分がリスクを負っても私が傷付くことを最小限に抑えられるなら迷わずにその選択をする。 それなのに、私は人の言葉に惑わされて薫くんを疑った。 信じることができなくて――深く、傷付けた。 「ほんと、最低だよね……」 今の私では薫くんを追いかけることも許されない。 カーペットに染み込んだ、薫くんがこぼしていった涙の跡を見つけて私はそっと目を閉じた。