『勘治っ、起きて!』 今度は、肩を揺すってみた。 『ん…。』 彼はやっと、眠そうな顔をゆっくりと上げた。 『おはよう、勘治。』 私は彼の顔を覗き込んで、笑顔でもう一度言った。 『…おはよ。』 勘治は伸びをしながら言った。 サッカー部である彼は、朝練が終わってから教室に来て、私に起こされるまでいつも机で寝ている。 勘治と私は、お家も近所の幼馴染みだ。