携帯のアラームを止め,葉崇は
目を覚ました。短く欠伸をし,
背伸びをした。

アイロンのかかったワイシャツ
を着て,ネクタイを締める。

殆んど何も入っていないカバン
とブレザーを持つ。ふと視界に
バスケットボールが入った。

何度も捨てようと思った。
だが,捨てられなかった。だから
気づかないふりをしていた。

ボールの隣の写真立てには,
勝利を喜ぶ少年達が皆,笑顔を
浮かべ,写っていた。