2度目の初恋〜ハイスペック男子は再び〜


「今度、ゆっくりお話しようね!」と言った
詩織ちゃんは、 橘くんに「ほら、行くよ!」と声を掛けて彼を連れて行こうとしている。

そんな様子を見ながら、彼に荷物を持たせたままだったことに気づいた私は

「助けてもらった上に運んでもらっちゃってごめんね…ありがとう!」

と、橘くんに改めてお礼を言うと、彼から荷物を受け取ろうとしたが、彼は「俺が持って行くよ」となかなか荷物を譲ってくれない。

どうしよう、と困っていたら…
私と橘くんのやり取りを見ていた詩織ちゃんが

「真帆ちゃんが持つって言ってくれてるだから、渡したげたら?
それにハルくんは部長の所に早く行ったげないと、たぶん待ちくたびれちゃってるよ!」


と、彼のワイシャツの袖を軽く引っ張りながら一緒に来るように促す。
詩織ちゃんにそう言われれば、橘くんも返す言葉はないようで…
あっさりと私に荷物を返してくれた。


「気を付けて…」と言った後に、他にも何か言いたそうな顔をしてる橘くん。


どうしたんだろう、と考えていると、突然、詩織ちゃんが「早く行くよ!!」と言い、彼の腕を掴んで歩き出した。



私が詩織ちゃんの強引さに驚いている間に2人との距離は開いてしまって、気づけば、2人は営業部の入り口に入って行く所だった。