「あのさ、橘くんって営業部だったの?
四大だったから、去年入社して来たんだよね?」
「そう、営業部だよ。
大阪の支社の方からこっちの本社に異動になったから、ここで働くのは初めだけど。
さっき、挨拶回りで総務部行った帰りに白城さんが落ちそうになってるのを見つけたんだ。」
と、分かりやすく丁寧に橘くんは答えてくれた。
私は、彼が私の名前を覚えてたことに驚きつつも、彼の説明を聞いてみんながイケメンだと騒いでいた相手が彼だということに初めて気づいた。
やっぱり、どこに行っても人気があるだね。。
うん、だって、カッコいいもんね。
その上、荷物運んでくれたり…優しいもんね。
みんな、橘くんのことを知れば知るほど好きになっちゃうのかな。
彼の人気ぶりを痛感しながら、高校時代と同じ周囲の反応に、ある思い出が蘇って来そうで慌てて頭からその記憶を追い出した。

