「実は幸助を連れて行ってやりたいなぁと思って」
「幸助君?」
また逢沢親子がハモる。
「そう言えば、喜子さんもゴールデンウイーク中は休めないと言っていたな」
逢沢父が思い出したように言う。
「だから僕が幸助を遊園地に連れて行こうかなと思って」
今日のことを掻い摘んで話すと、「なるほどね」と途端に顔を綻ばせる逢沢父。
「で、恵もどこへも行けないなら一緒にと思って」
「何だ、デートじゃないんだ」とプクッと頬を膨らませる恵。何を考えているんだと思いながらも、「どうでしょう?」と恵ではなく逢沢父にお伺いを立てる。
どうせ、ふて腐れていても恵は行くに決まっているからな。
「そっか、そっか! 行っておいで」
恵は逢沢父と僕を横目に睨み、「はぁぁぁ」と一年分ぐらいの溜息を付き、グイッと顎を突き出す。
「分かったわ。任せなさい! 一緒に行ってあげる」
何気に偉そうな態度で返事をする恵だが、何となく目が笑っているから恵も嬉しいんだろと勝手にいい方に解釈する。
「でさぁ、僕から幸助を誘うと健太から頼まれたみたいだろ? 変に勘ぐるかもしれないから恵から誘ってくれないか」
「なるほど。だから恵か。やっぱり春太は賢いな」
「いやいや」それほどでもあるけどね、と心で呟きポリポリと頭を掻く。
「幸助君?」
また逢沢親子がハモる。
「そう言えば、喜子さんもゴールデンウイーク中は休めないと言っていたな」
逢沢父が思い出したように言う。
「だから僕が幸助を遊園地に連れて行こうかなと思って」
今日のことを掻い摘んで話すと、「なるほどね」と途端に顔を綻ばせる逢沢父。
「で、恵もどこへも行けないなら一緒にと思って」
「何だ、デートじゃないんだ」とプクッと頬を膨らませる恵。何を考えているんだと思いながらも、「どうでしょう?」と恵ではなく逢沢父にお伺いを立てる。
どうせ、ふて腐れていても恵は行くに決まっているからな。
「そっか、そっか! 行っておいで」
恵は逢沢父と僕を横目に睨み、「はぁぁぁ」と一年分ぐらいの溜息を付き、グイッと顎を突き出す。
「分かったわ。任せなさい! 一緒に行ってあげる」
何気に偉そうな態度で返事をする恵だが、何となく目が笑っているから恵も嬉しいんだろと勝手にいい方に解釈する。
「でさぁ、僕から幸助を誘うと健太から頼まれたみたいだろ? 変に勘ぐるかもしれないから恵から誘ってくれないか」
「なるほど。だから恵か。やっぱり春太は賢いな」
「いやいや」それほどでもあるけどね、と心で呟きポリポリと頭を掻く。


