僕と家族と逃げ込み家

世間ではこういう行為を『児童虐待(性的虐待、もしくは、心理的虐待)』と言うのではないだろうか? まっ、僕は児童ではないが。

世に知れたら逮捕も免れない……? まあ、知れたら、だが……。

このとてつもなく変な人が、悲しいかな我が母“若月真理”であり、同時に“若月とまり”というペンネームを持つ、謎の作家でもある。

『謎の作家』にしたのは、僕の一言からだ。

『母さん、本名は絶対ダメ! 写真もダメ! 言うこと聞いてくれなかったら親子の縁を切るから』

母が作家としてデビューした時、そう先制攻撃をしたのだ。
何てったって母は官能小説家、俗にいうエロ本作家だからだ。

『そんなの職業差別だ、偏見だ! この美貌を人様にお見せしないのは詐欺だ!』

などと母は猛反撃に出たが、何のことはない。

『あらっ、謎の作家ですか? いいんじゃないですか。どことなくミステリアスでいい女風で』

編集さんの言葉が母の琴線に触れたのだろう。

『いい女……ミステリアス……』

その二言で納得してしまった。