そんなふうに気分よくドライブしてきたのに、目的地に着いた僕は唖然とする。

「えーっと……どうして二人がここにいるのかなぁ?」

我に返った僕は訊ねる。

参加メンバーは確か……叔父と逢沢さん親子、それに塾生四人と美山、笹口、僕。合計十人だったはず。

なのに……なぜそこに母とトヨ子ちゃん、それに、源さんと喜子さんまでいるのだ?

「先回りしちゃった」

年甲斐もなくテヘペロとしたのは母だ。

「あれっ、言っていなかったかな?」

叔父が白々しく言う
きっと隠していたんだ。僕が反対すると思って。クソッ、やられた!

「お招きありがとう」
「母ちゃん、お握りいっぱい作ってきたか!」

幸助が喜子さんに駆け寄り、照れ臭そうにぶっきら棒に訊く。

「当然! お稲荷さんも作ってきたわよ」

喜子さんが四角い風呂敷に包みを持ち上げる。

「やったぁぁぁ!」
「私はデザートを作ってきました」

トヨ子ちゃんが特大のクーラーボックスを指差す。
デザートと聞き、恵と茜が目を輝かせる。

「トヨ子ちゃん、最高! 大好き」
「何だろうね、何だろうね」

キャッキャッと二人は手を合わせ、ピョンピョン飛び跳ねる。

何だ、このほのぼのと和気藹々とした感じは!
本当、腹立たしい。