だが、叔父はそれを良しとしない。
「ダメだ。お前が倒れでもしてみろ、爺ちゃんの病気がよけい悪くなる」
亮は少し考え、小さく頷くと「フレンチトーストとホットミルクをお願いします」と言う。
叔父はきっとそれ以外の物もトレーに乗せて、『好きなだけ食べろ』と出すだろう。お節介にも見える行為だが、そうでもしなければ本当に食べないからだ。
「亮ちゃんはフレンチトーストが好きだね」
いつの間にか茜が亮の側に立っていた。そして、少し腰を折り、「私も好きだよ」と亮の目線に合わせてニッコリ笑う。亮の頬がサッとピンクに染まる。
なかなか初々しい反応だ。
「亮君も手を洗っておいで、席で待ってるね」
茜は優しい。きっと子どもに好かれる、いい歯科医になるだろう。
「春太、何をニヤニヤ笑ってるんだ。ほら、七番テーブルの前菜あがったよ」
叔父がカウンターにサラダとスープを置く。
『逃げ込み家』はカウンター席が五席、四人掛けのテーブル席が八席、二人掛けの席が窓際に四席ある。デッドスペースにはその四人掛けのテーブルの一つが置いてある。
「お前等、何を呑気に食ってんだ? 手伝いに来たなら、さっさと手伝えよ」
柱の陰で見えなかったが、七番テーブルに同級生の美山と笹口がいた。
僕にとって屈辱的な『キスをしたことがない』仲間だ。
「ダメだ。お前が倒れでもしてみろ、爺ちゃんの病気がよけい悪くなる」
亮は少し考え、小さく頷くと「フレンチトーストとホットミルクをお願いします」と言う。
叔父はきっとそれ以外の物もトレーに乗せて、『好きなだけ食べろ』と出すだろう。お節介にも見える行為だが、そうでもしなければ本当に食べないからだ。
「亮ちゃんはフレンチトーストが好きだね」
いつの間にか茜が亮の側に立っていた。そして、少し腰を折り、「私も好きだよ」と亮の目線に合わせてニッコリ笑う。亮の頬がサッとピンクに染まる。
なかなか初々しい反応だ。
「亮君も手を洗っておいで、席で待ってるね」
茜は優しい。きっと子どもに好かれる、いい歯科医になるだろう。
「春太、何をニヤニヤ笑ってるんだ。ほら、七番テーブルの前菜あがったよ」
叔父がカウンターにサラダとスープを置く。
『逃げ込み家』はカウンター席が五席、四人掛けのテーブル席が八席、二人掛けの席が窓際に四席ある。デッドスペースにはその四人掛けのテーブルの一つが置いてある。
「お前等、何を呑気に食ってんだ? 手伝いに来たなら、さっさと手伝えよ」
柱の陰で見えなかったが、七番テーブルに同級生の美山と笹口がいた。
僕にとって屈辱的な『キスをしたことがない』仲間だ。


