学校では『飄々としてクール』と思われている若月春太(16歳)だが、彼のプライベートはハチャメチャだ。

家庭では官能小説家の母とアシスタントのトヨ子ちゃんに、バイト先のカフェ『逃げ込み家』では店主の叔父に振り回される日々。しかし、最も翻弄するのは、カフェの片隅の『塾』と呼ぶ『居場所』に来る小学生たち。春太はそこの塾長だ。

一癖も二癖もある訳ありの子どもたちだが、彼等は春太に喜びや涙、そして、学びを与えてくれた。

それに加え、同級で秘密共同体仲間の笹口(実父は『や』の付く人だが今は洋菓子屋の養子)と美山(超美形のトランスジェンダー)の恋や叔父とトヨ子ちゃんの恋、さらに、年下で生意気な恵と自身の恋が春太をより成長させた。


主人公は親子の絆や友との絆を再認識しつつ、苦境に陥った人と共に悩んだり立ち向かったりしながら、その都度希望を見つけ成長していく。ちょっとノスタルジックな青春物語です。