「お前って、頭いいし、こういう先生っぽいこと似合うと思うぞ。まぁ、学校の先生みたいな枠に嵌ったのは、ちょっとイメージが違うけどな」

叔父の言葉がボンヤリと頭の中でリフレインする。
そういうのがやりたいのかなと思い始めている自分に気付く。

塾生たちとの時間は本当に楽しい。小学生から学ぶことも多い。
だが、一番は彼等といると、誰よりも僕が癒される。
無垢な魂に触れるたびに、心が修正され、真っ直ぐに生きられる。

「うん、こんなフリースペースみたいのを作りたいのかも」

ずっとモヤモヤした気持ちが晴れ、ハッキリとした形が見えた。
これが僕の夢だ!
夢を持った途端、心がフワッと軽くなり力が漲ってくる。

僕は叔父に笑い掛け、素直に「ありがとう」と伝え、再び亮を思う。



それから数日経った僕の誕生日、八月八日……亮が倒れた。

「心因性的なものだと思いますが、寝不足と栄養失調……彼、食べていないと思います。食べても吐いちゃっているかも」

女医さんの話を聞き、大人たちは驚いたようだ。
亮がそこまで追い込まれていたのか……と。