僕と家族と逃げ込み家

「――じゃあ、二胡ちゃん、くれぐれも気を付けてね。幸助君、二胡のことお願いね」

「分かった! お願いされてやる」

こらこらと幸助を視線で諫め、こいつには特別授業として、敬語や尊敬語の時間を設けなければと心に決める。

しかし……本当にプールに行っていいんだろうかと亮を見ていると……。

「春太、心配しなくていい」

なぜか叔父がその答えをくれた。

「亮の母さんが来るのは夕方だ。ここで会うことになっている」

亮もコクンと頷く。
そうか、亮も了承済みなんだ。安心したと同時に亮の気持を思うと少し複雑な心境になる。

 ◇◇◇ ◇◇◇

久しぶりのプールは気持ちよかったが、疲れた。
ちょっと頭が痛い。

「日射病になったのかな?」と笹口と美山に言うと、美山は心配してくれたが、「お前、それ歳じゃないの?」と笹口に言われ、軽くショックを受ける。

だから、少し苛めてやった。

「しかし、美山の裸はエロかったな」

実際、眩しいくらい綺麗だった。

「皆、凝視していたと思わなかった? なぁ、笹口」

ポッと頬を赤くする美山の代わりに、笹口が「セクハラだ」と怒鳴って殴る。
苛めるつもりが苛めらられた。目から火花が飛び出た。