亮がコクンと頷く。

「それに、無言で考えるより、口に出した方が考えは早くまとまるんだって」
「……どうして?」
「言葉にすると、それが耳から入り脳に伝達され、刺激を与えるからだって」

何となく道理は分かるが、本当かは僕もいまいち分からない。

「亮もないか? 誰かに悩みを相談をすると、そいつからいいアドバイス貰わなくても、何となく自己解決できちゃったこと」

うーんと亮は少し考える。
そして、「カウンセリングみたいなもの?」と訊く。

「お前、よく知ってるな」
「うん。前にドラマでそんなこと言ってた」

前々から思っていたが、やっぱり、こいつは只者ではない。

「そう、そんな感じだ。だから相談しろ」

「うん」と亮が頷く。

「とにかくだ。突然いなくなったりするなよ。物凄く心配するから」
「うん、先生に言ってから行く」
「よし!」

そんな約束を交わしてポリポリと一緒にポテトチップスを頬張る。
ただのポテトチップスだったけど、物凄く美味しかった。