美山の肩に笹口が手を回す。そして、その顔を自分の肩に押し付ける。
フム、これは僕に美山の顔を見せたくないってことか?
「なっ何? 哲ちゃん、痛い!」
グイグイ押し付けられて美山が声を上げる。
ジェラシーいっぱいの笹口だが、コイツの行動は全て無自覚だと思う。
「あっ、すまん! 急にお前の顔が見たくなくなった」
真顔で言う笹口に、何だその陳腐な台詞と突っ込みそうになる。
でも、美山はできた奴だ。
「もう」と言いながら優しく微笑み髪を直す。
サラッと流れる髪から花の香りが漂う。みるみる真っ赤になる笹口。そしてまた、美山の手を掴み、その仕草を止めさせる。
「なっ何!」
またしても驚きの声を上げる美山。
もう笑うしかない。何だこの面白い生き物たちは!
笑いを噛み締め、「じゃあな」と岐路で別れる。
奴等はこれから図書館に行くそうだ。中学生並みのデートに、益々笑いが込み上げる。
思い出し笑いを何度も繰り返しながら商店街に入ると……ん? あれは亮?
足を止め、何をしているんだろうと思っていると、亮が本屋に入って行く。
何となく僕もあとを追う。
フム、これは僕に美山の顔を見せたくないってことか?
「なっ何? 哲ちゃん、痛い!」
グイグイ押し付けられて美山が声を上げる。
ジェラシーいっぱいの笹口だが、コイツの行動は全て無自覚だと思う。
「あっ、すまん! 急にお前の顔が見たくなくなった」
真顔で言う笹口に、何だその陳腐な台詞と突っ込みそうになる。
でも、美山はできた奴だ。
「もう」と言いながら優しく微笑み髪を直す。
サラッと流れる髪から花の香りが漂う。みるみる真っ赤になる笹口。そしてまた、美山の手を掴み、その仕草を止めさせる。
「なっ何!」
またしても驚きの声を上げる美山。
もう笑うしかない。何だこの面白い生き物たちは!
笑いを噛み締め、「じゃあな」と岐路で別れる。
奴等はこれから図書館に行くそうだ。中学生並みのデートに、益々笑いが込み上げる。
思い出し笑いを何度も繰り返しながら商店街に入ると……ん? あれは亮?
足を止め、何をしているんだろうと思っていると、亮が本屋に入って行く。
何となく僕もあとを追う。


