――やっぱり、こいつ天然だったか。
メチャ恥ずかしい台詞を照れもせず言う幸助を思わずガン見してしまう。
しかし、ここでちゃんと言っておかないと、と思いおもむろに口を開く。
「あいつ等は、二胡が嫌いであんなこと言っているわけじゃないと思う。愛情の裏返しって言葉があるんだけど、きっと二胡が好きなんだと思う」
二胡がキョトンと僕を見る。そして、小さな声で言う。
「……好きなの?」
「うん」と頷いた途端、幸助が声を荒げる。
「ダメだぞ! 二胡は俺のだから」
オォォ! こいつ俺のだ宣言したぞ!
これには、屍状態の笹口も驚いたようだ。顔を上げて幸助を見る。
「俺が守るって決めたんだから、好きになったらダメなんだぞ!」
何だその滅茶苦茶な道理は、と思いながらちょっとからかってみたくなった。
「じゃあ、僕も二胡を好きになっちゃいけないんだ?」
「春太は許す!」
別にお前に許して貰わなくていいんだけど。
「だって、春太の好きと俺の好きは違うから」
思わず仰け反る。コイツ『好き』の違いが分かるのか?
「――なぁ、それどう違うんだ?」
僕より先に笹口が訊ねる。何となく切羽詰まった声だ。
メチャ恥ずかしい台詞を照れもせず言う幸助を思わずガン見してしまう。
しかし、ここでちゃんと言っておかないと、と思いおもむろに口を開く。
「あいつ等は、二胡が嫌いであんなこと言っているわけじゃないと思う。愛情の裏返しって言葉があるんだけど、きっと二胡が好きなんだと思う」
二胡がキョトンと僕を見る。そして、小さな声で言う。
「……好きなの?」
「うん」と頷いた途端、幸助が声を荒げる。
「ダメだぞ! 二胡は俺のだから」
オォォ! こいつ俺のだ宣言したぞ!
これには、屍状態の笹口も驚いたようだ。顔を上げて幸助を見る。
「俺が守るって決めたんだから、好きになったらダメなんだぞ!」
何だその滅茶苦茶な道理は、と思いながらちょっとからかってみたくなった。
「じゃあ、僕も二胡を好きになっちゃいけないんだ?」
「春太は許す!」
別にお前に許して貰わなくていいんだけど。
「だって、春太の好きと俺の好きは違うから」
思わず仰け反る。コイツ『好き』の違いが分かるのか?
「――なぁ、それどう違うんだ?」
僕より先に笹口が訊ねる。何となく切羽詰まった声だ。


