僕と家族と逃げ込み家

 ◇◇◇ ◇◇◇

本当にどうしたんだろう?
あれから二人と別れた僕は二人の様子を思い出しながらブラブラ商店街を行く。

キャッキャッと賑やかな声が聞こえてきた。
時計を見る。二時半か。

低学年の下校時刻だろうか?
背中の大きなランドセルが重そうだ。

テスト期間は僕たち高校生も帰りが早い。
いつもと同じ景色なのに、時間が違うと違う風景に見える。

二胡も居るだろうかとキョロキョロする。
あっ、いた! 身を隠すように咄嗟にショーウインドーの方を見る。

「おーい、ダンマリ!」
「ダンマリ! ダンマリ!」

なぬ! 勢い良く振り返ると二胡を囃し立てる二人の男児が目に映る。二人は二胡に纏わり付き暴言を吐き続ける。

あいつらぁぁぁ! 怒りが沸き上がり、駆け寄ろうと一歩足を踏み出して足を止める。

「おい、こら、何をやってんだ!」

二胡を背で隠したのは……幸助だ。
二人の男児が幸助を見上げ、睨み付ける。

あの二人……どう見ても一年生だよな。

「何カッコ付けてんだよ」
「ダンマリにダンマリって言って悪いか」

おいおい、幸助は年上だぞ。こいつら、どんだけ捻くれてるのだ?
だが、幸助も負けてはいない。

「じゃあ、チビにチビって言っていいんだな。バカヤローにバカヤローって言っていいんだな」

そう言いながらギッと二人を睨み付け、「それはお前らのことだ」と順番に指差す。