僕と家族と逃げ込み家

「そうね、せめて目の前にいい男がいたらやる気が起こるんだけど……」

母の目が残念そうにこちらを見る。

「いっそ春太がジャニーズ系の美男子だったら……」

そう言うと、ジャニーズとは全く関係のない色紙を手にして盛大な溜息を吐く。

この色紙は仕事仲間のイラストレーター、大江戸さんが描いてくれたものだ。
母のお気に入りで、色紙には四人のイケメンが描かれている。

「宗様……とまでいかなくていいの」

ちなみに宗様とは、四人のボーイズの中で母が一番気に入っているイケメンだ。

知るか! そんな男子がこの世にいるかと怒りつつ……あっ、と美山の中性的な顔を思い出す。

「はん! それはすみませんねぇ。でも、自分が生んだんだろ」

一応、反論する。そりゃあ、美山みたいな美少年もいるが……あいつはハーフだ。それに、男だけど男じゃないし……。

しかし、そんな反論が通じる母ではない。例えゲイでもバイでも奇人変人でも、母は美少年が大好きで、それを生きがいに仕事をしていると言ってもいい。