「俺は、愛華って呼ぶぞ。」
ドキン…
男性から呼び捨てされることなんか初めてじゃないのに、
なぜが胸が高鳴った。
「おまえ、顔赤いぞ。」
「な、なんでもありません。用がないなら出てってください!」
し、しまった。
お手伝いの身なのに……
そう思った時には遅かった。
「へぇ~、お前この俺様にそんな口きいていいと思ってるんだ?」
「すみません、つい……」
すると雄星くんは私に近づいて来て、
「冷たっっ!」
私のおでこにヒヤッとする感触が…
「ほら、ここ冷房ないだろ?だから熱中症ならないようにな……冷えピタだよ。」
「ふふ、冷えピタって……」
あんなに偉そうな雄星くんが冷えピタって言うとなんか面白くて笑ってしまった。
「でも、ありがとうございます。嬉しいです!」
「笑ってんじゃねーよ。体調崩されるとこっちが困るからな。」
そう言って部屋から出ていった。
無愛想な人だと思ったけど、
「案外、いい人じゃん…。」