「お前、その方がいいぞ?まぁ、なんでもいい

けど」

不意に頭を撫でられる。

…何!?

頭を撫でられるなんて、親に小さい頃されたぐ

らいなもの。

今じゃ漫画か何かじゃなきゃ見ないようなこ

と。

それをこの男はサラッとやりのけた。

やっぱり佐藤君って、チャラ男だ。

はっきり言うと、ちょっと、苦手。

そんなあたしの気も知らず。

佐藤君は続いて質問を投げ掛けてくる。

「そういえばお前、なんで制服なんだよ、今日

、学校じゃねぇだろ。土曜だぞ?」

「そーゆー佐藤君こそ。なんで制服なの?」

佐藤君も何故か制服を着ていた。

なんだか、変な感じがする。

違和感がある。

でもそんなの、別に何でもないよね。

そう自分に言い聞かせ佐藤君の言葉を待つ。

「…あー、俺?俺は…わかんなぇや。」

なによ、それ。

何か分かるかもしれないって思ったのに。

佐藤君だって、人に今日学校じゃないとか言え

ないじゃない。

「お前さぁ、言いたいことあるなら言えば?言

わなきゃわかんねぇんだけど。俺、テレパシー

とか使えませんけどー?」

別に、言いたいことなんてないし。

口に出して言って、面倒くさくなるのが嫌なだ

けなのに。

勘違い、しないでほしい。