瞳がこちらを向いた。

少し茶色かかった、ふわふわした髪、

鼻の高い、優しそうな瞳、


静かに口を開いた。


「新入生かな? 僕の名前は…」

春の匂いがする優しい風が吹いて、

思わず目を閉じた


「早苗紫尹です。」


口のなかで男の人の名前をころがしてみると

記憶にないが、はじめてでないみたいに

口はなれていた。


同じ名前の人いたっけな。


私も男の人のように口を開け、

「はい、1年の藤谷柚奈です」

「ユズナ、可愛い名前だね」

ドキドキ 胸が高鳴る

ってなに、初めて会う人にどきどき

しているのよ、

気持ちをおしころす



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「吹奏楽部に入っているんですか?」

すこし間があってから彼は答え、

「帰宅部だよ、親が昔使ってたみたいで、
小学生ぐらいの時から、こうして、気分転換に
吹いているよ。」

気分転換、私とは吹いてる理由が

違う。

君は?訪ねる彼、答える私

「中学校の時は吹奏楽部に入っていました
フルートを吹いています。高校も続けるつもりです。フルート、好きなので。」

紫尹さんとお話をしてたら、心のなかが

暖かくなる。

こんなに人と話したのは久し振り

暖かい。