22✕✕年。春

何度も何度も私を殺そうとした者がいた。
だが私を殺せた者はいなかった。

私がアイツのせいでその者達を殺してしまった。

だから私は左手を切り落とした。

利き手だと私の今後が危ういので
ここは左だと思い、左手切り落とした。

私は歩くことが好きだった。

怖くなったら歩く。それを決めていた。
ある日歳を取らないことに気づいた日。
私は日本の最上部。前で言う、青森県だったかな。

そこから1ヶ月ほど歩いた。
そしてこの中央部に辿り着いたのだ。

その1ヶ月は左手の大切さを感じた。
そして私は私の左手となる者。私を殺してくれる者を探した。この中央部で。

そして見つけた。
佐野時一郎。15歳と言う若者。
(何歳下なことか…私、軽く200年は生きてるからな。)

佐野時一郎。
彼は15歳の若い少年。
どうやら母が時一郎を産みすぐ亡くなったらしい。そこから父が15歳まで育ててもらい15歳の誕生日父が亡くなったという。
そこからは1人だったそうだ。

私たちは2日ほど2人で過ごした。
そして3日目のひる。
昼ごはんを食べ終わったあと。
時一郎が叫んだ。

「あの!!いい加減名前くらい教えてくださいよ!!俺教えましたよね!?初対面で!」
と言われ。仕方なーーくこの若造に名前を教えてやる
「そうだな。仕方ないから教えてやろう。
私は三橋リラ。年齢は200歳ほどだろうな。」
「ん!!!???い…今なんと!?」
「だから200歳ほどだ。」

いつも道理の会話だ。今までだってこんな感じだったから年齢は言いたくないんだ。

「へぇーすごいですね!僕より圧倒的に年上ですね!」
「いや、私は歳を200年前から取っていないから、15歳だぞ見た目は。」
「じゃあタメですね!タメ語でいいんでしょうか?」
「いいけど。」
私がそう言うと、時一郎はニカッと笑ってこう言った。

「じゃあリラ。よろしくね。生きよう。この最悪なクソみたいな世界を。」

すまない。無理だ。

そう言わねばならない。けど、200歳と聞いてこんなふうに話しかけてくれたのは彼だけだった。

だから…今は。

言わなくていい。

お前が私を殺すと言ってもよかった。

でも一瞬でもこの瞬間が続けばいいと

願ってしまったから。だから。

まだ時一郎は知らなくていい。