「杏奈おはよ~」
「おはよ。なんかみんな騒がしいね」
私はあくびをしながら教室に入り、席に付く。
いつもなら静かにそのまま眠りにつくが、
今日は教室がザワザワしている。
そう。
私のクラスに転校生がやってくる。
「男かな?女かな?」
「女だったらぜってー美人だ!」
『 男子は黙ってて!』
クラス中転校生についての話で持ちきりだ。
ーキーンコーンカーンコーン
鐘が鳴り、担任が教室に入ってきた。
「今日はお前らに紹介したいやつがいる。
おーい。入っていいぞ」
ーザワザワ
私は窓の外をぼけーっと見ていた。
転校生はいかにもだるそうに自己紹介をした。
「長野から来た花城裕(はなき ゆう)です」
クラスの女子達は目をハートにさせて騒いでいる。
なになにうるさいな……
「花城はえーーっと……七瀬の隣が空いてるなそこに座れ」
「はい」
名前を言われ前を見ると
あれ……なんか見たことある。