クーラーのタイマーをセットするしんやの横であたしは自分の布団に潜る

「おやすみ」

ぽつりと呟いて電気を消してくれるからあたしは寝たふりをする
正直もう寝れない気がする
本当は疲れててすぐ寝ちゃいそうだけど考え事してるわけじゃないのになかなか眠たくならない

「かこ…まだ起きてるだろ…?」

10分ほどして急にしんやから話しかけられた
まだ起きてたんだ…

「なぁ…」

体を起こす音がきこえる

「なんかあったろ…?」

ちょっとの無言の時間が凄く長く感じた

「ないよ、なにも…」

ばれてる…隠してたのに…

「なんもないことないだろ」

いつもより低い声に冷や汗をかく

「…って言われたい?」

心がぎゅうって締め付けられて苦しい

「俺はかこがいなくて寂しかった…」

「え…」

また布団に戻る音がする

「それだけ、かこは?」

「言えない…」

無言は辛い
暗闇でもじっとこっちを見てるんじゃないかって思ってしまう

「そっか…」