「おー!きたきた!しんや~」

派手な男子グループが登校したばかりのあたしをみつけて叫ぶ

「なにあれ…」

朝は結構寒くなってきて冬も近いなんて感じの季節になった
今朝は珍しくひとりで登校したかもな

「かこ、顔怖いってば」

目の前でとしがケラケラと笑う
よっぽどひどい顔してるのかな

「あれ?あいつはー?」

「インフルエンザ」

「え?記念すべき第一号じゃん!」

さっきよりも楽しそうに笑う

「あいつ試合前で張り切ってたのにな」

「本人もいってたよ」

私は熱があるくせに楽しそうに話してたあいつを思い出してた

「俺がいなきゃ点はいんねーだろって」

朝ごはんを食べながら薬飲むのを嫌がってたあいつを思い出す

「2日薬飲んだら治るかなーって」

「ばかだなー治ってもこれねーだろ」

としが呆れたように笑う

「まぁかこにお世話してもらえて喜んでんじゃねーのー?」

意地悪く笑うとしをあたしは無言で叩いた

「ほらーとしもそれ言うー」

「いってーな~」

「でもご飯美味いっていってくれたのは嬉しかった、かな…?」

何も言わないとしをちらりとみる
え…?固まってる?

「え…もしもーし?としさーん?」

「いや、ノロケてんじゃねーよ」

またさっきの調子であたしをからかう
なんだったんだろ?
具合でも悪いのかな…?

「ねぇしんどいならいいなよー?」

「大丈夫だって!」

笑ってるけど…なんか変な感じ~

「ほら一時間目移動だから!いくぞ!」

「え、ちょっとまってよー」


さっきとしが何か呟いたけど聞こえなかったな…まぁ大丈夫いいけどさ、





『かこのそういうとこ好きだけど…』