「え、なに、これ…」
目の前を歩いていたかこが壁をみて立ち止まる
今日俺らは珍しくふたりで登校していた
「え…」
壁には確かに俺らのポスターが貼ってある
「お前相当校長に気に入られてるな~」
うちの学校の校長はまともに返事をしない生徒の中でかこは珍しく会話をしてくれるからかよく話しかけている
きっとこのポスターも応援するためだろう
それにしても存在感あるな…
前回ちゃんと(?)黒髪で撮ったイベントの宣伝ポスターだった
「かこちゃーーーん?」
後ろから明らかに嬉しそうなねねちゃんがかこに声をかけた
「な、なに…?」
かこも俺と同じでバレたと思ってるのかな
「この人ら知らない?めっちゃイケメンなんだけど…!」
なるほどな…
わかりやすく喜んでるかこはちらりと俺をみてから口を開いた
「どっちがタイプ?」
「え~どっちもいいけどやっぱ青のかな~かっこかわいい!」
完璧にニヤニヤしてるかこから視線を外す
「あ!てかごめん、ふたりの邪魔しちゃった~!」
何か勘違いして楽しそうに笑いながら去っていくねねちゃん
今日も絶好調だな…
まだガッツポーズを崩さないかこをみて半分呆れながら
「俺っていったらどうした?」
「とりあえず私をオススメする」
即答ですか…
楽しそうに笑ってたかこが急に真剣な顔で遠くを見つめだした
「でも…なんかしんやが他の人に格好いいって誉められるのはちょっと複雑…」
複雑…?複雑か…
「それってどういう…?」
「なんでもなーい」
いつもの調子で教室に戻るかこを見送る
まだ心臓がなってる
あんなこというから
わかってても自惚れたくなる
なんか調子狂うな…