「ダンサーデビュー…?」
「そう、かこひとりじゃね~」
数分前に俺がまゆさんに説明された話
かこがいつの間にかオーディションを受けてた
いい結果は出なかったけどその会場にきてた高梨さんって人の目にとまったらしい
さすがかこ…
「それで俺に…?」
「ええ、それで男性二人組ってことにしたいの」
「え…?」
どうやらかこは男装して踊っていたらしく高梨って人はかこが男だと思ってるみたいだ
それもそれでいいと思うけどな、俺は
「宣伝担当で活動してもらうからそんなに忙しくないと思うの」
「かこと、ですよね?」
他のやつじゃ絶対駄目なんだ
あいつがいいんだ
あいつが楽しそうに踊るのを誰よりも近くで見てたいんだ
隣で踊ってたい、競ってたい
できれば追い越されたくない
いいライバルでいたい
「駄目かしら…?」
「もちろん、やります。」
「そうこなくっちゃ!お母さんの許可ももらってるからね~」
なんだ、もう俺、やる前提なのかよ…
相変わらず行動力のあるまゆさんに笑いがこぼれる
楽しくなりそうだな
世界一愛しい君と…
