「おい、かこ、かこってば…」

振り向くと少し不機嫌なしんや…
そうだ、今ダンスしにきてたんだ

「お前、最近ぼーっとしすぎ」

まだ口を開かないあたしの額にデコピンをくらわせる
無言で痛がるあたしをみて意地悪にニヤリと笑った

「そんなにぼーっとしてるかな…?」

しんやは作業を再開していた手をとめ、まっすぐあたしを見つめる

「…してる」

たった3文字を言うのには十分すぎる間があった

「…お見舞い、いけば?」

なんでもわかっちゃうんだね…

「ひとり…?」

「当たり前だろ、あいつジェラシー強いからな」

即答のうえに楽しそうに笑う

「気をつけてな、あー、あとあいつプリン好きだよ…」

「わかった、ありがとう」


見透かされてた
悔しいような嬉しいような…