「ただいま…」

やっぱり誰も帰ってないって寂しーなぁ…
慣れてるけど…真っ暗な玄関で靴を脱ぐ
あれ…?でもしんや靴あるよね?
鍵も開いてたし…?
と思いつつ振り返りリビングに続くこれまた真っ暗な廊下を歩く

ドンッッ

「いったぁ…」

何かに思いきりぶつかりその拍子にしりもちをついた
でもこんな近くに壁はないはず…
って思っていたらふいに真上から声がした

「こっちも痛いんだけど?」

見上げるとかなり怒った様子で腕を組んだしんやが立っていた

「ごめん…」

そりゃあれだけぶつっかってればしんやも痛いよね…それより

「なんでこんなとこに電気つけずに立ってんの?」

廊下の電気のスイッチを探し電気をつける
すると口元を押さえ少し頬を赤くしているしんやがはっきりみえた

「え、えぇ…?」

どこに赤面するポイントがあったのか…
こっちまで照れてくる

「心配…だったから…」

はぁ…?

「かなとと二人だったからっ」

早口でまくし立てるが顔に全部でている

「ありがとっ」

「えっ…」

あたしもたぶん顔が真っ赤だ…
さっさと退散しよう