「えっ…」

突然の告白は"友達"としてなのかなんなのかわからなかった

「学校のホームページにさ、またダンスあがってるから…大会に出すやつ」

「うん」

「しんやに見てほしい…」

「…うん」

ぷしゅぅっ
炭酸の弾ける音が聞こえた
俺にとってのかこって…
憧れ?尊敬?
"友達"??
結局俺はこれ以上踏み込めない弱虫なんだ…
ゆっくりとした動きでバスが止まった

「うわ…まず…」

振り向いたかこはもう泣いていなかった
真っ赤な目と不釣り合いにむかつくくらい爽やか微笑んだ

「…じゃあな」

「うん、今日はありがとう」

俺は生ぬるい風を体いっぱいに吸い込んでかこがのったバスが見えなくなるまで見つめていた
レモンの炭酸の味は超微妙だけど今のかこには似合うかもしれない
爽やかなレモンの香りとしゅわしゅわした炭酸が口いっぱいに広がって…
でも凄く甘酸っぱい

ベンチに座る
俺の横、さっきまでかこがいた場所を風が優しく撫でた




「帰るか…」