それ、と言って指を指すのは机の横にかかった紙袋。


カシャ、という紙袋の音が教室内に響く。


「…たくさん貰ったからいらない、んじゃないの」


「そんなの嘘に決まってるだろ。分かれよ。」


なにそれ。めんどくさい。


そんなの分かるわけないじゃん。


「じゃあ、私のことも分かってよ。」


私以外の女の子からもらって欲しくなかったよ。


ちゃんと断って欲しかった。


私だって周りの女の子みたく可愛く渡したかった。


分かってよ。