日光が照りつける、ある日の午後。
世間ではきっと、[夏]と言うのだろうが、僕の中では今も桜が舞っている。
僕は、夏があまり好きではないんだ。
無駄に暑いから。
太陽だけが、目立って何故かムカつくから。
なんて、教室の窓から外を眺めて考えた。

「片切ー。」

と、僕を呼ぶのは[河村啓(かわむらけい)]。これでも、小1からの親友。付き合い歴10年ちょい。いわゆる腐れ縁ってやつ。

「何ー?」

「今日暇?」

黒板の横に貼ってある、花と木々が描かれているスケジュールを見た。
今日の日付…7月14日。のところを見て、考えた。(夏休みまで……あと7日。)

「別にー。何もないけど何かあんの?」

はっきり言って、あまり気がのらなかったけど、とりあえずそう答えたんだ。

・あぁ、この時こう言っていなければ、辛い思いをすることなんてなかったのかな・