「ほら、この子この子。可愛くない??」と、啓が耳元でコソコソ言ってくる。

そんなのとっくに気付いていたよ。

・何故だろうね。
さっきから心が痛いんだ。
こんなこと、前にもあったね。
それは瑠璃に初めてあった時・

「あ、あの…何名様でしょうか………」
困ったような声でもう一度彼女はたずねてきた。
「あぁ…。えっと、3…『あー!!』
3人、と僕が言い終わるまでに隣にいた啓が大声で叫んだ。
僕と悟は啓の方に向いた。
「何?啓。」
僕が啓にそう言ってすぐに窓側の席で、注文をとっていた男がこっちに走ってくる。
「宮崎が何でこんなとこに居んのー??」
啓はものすごく驚いているようだった。
「えっ、そっちこそ!!」
宮崎、といった彼もかなり驚いているようだった。
「この2人は??啓の友達??あ、僕は宮崎一(みやざきはじめ)!!ここの従業員で啓の友達。よろしく。」
そういって、彼は軽く頭を下げた。
つられて僕らも軽くお辞儀をした。
「僕は、片切光。よろしく。」
「俺は真辺悟っていいまーす!!どうぞよろしく!!」
僕らはそれぞれ自己紹介をした。
「あれ、瑠璃ちゃん。こんなところで何やってるの??」
僕らの前で立ち止まっている糸瀬瑠璃に宮崎は話しかけた。
話に集中していたため、すっかり彼女のことを忘れていた。
「あ、今案内を………」
あ、そうだったの。と宮崎は頷いた。
「そうだ!せっかくだし、瑠璃ちゃんも自己紹介したら?啓たちいいヤツだよ。」
あ、じゃあ…と彼女は俯いていた顔をあげて名前を名乗った。
もうすでに知っているのだけど。
「糸瀬…瑠璃です。よろしくお願いします……」
彼女は顔を何故か真っ赤に染めて、深々と頭を下げた。
それから僕らはしばらく話をして、やっと席についた。