大分日が沈み、薄暗くなってきた。


「はぁ。もうすぐ着く……」


彼と話す……とは言ったものの、実際、気が重いな。

その角を曲がれば家はすぐそこだ。

スタスタスタ。

私は角を曲がる。

まかった先にはもう、大分見慣れた大量のリムジン。

なんか、日に日に増えてる気がするんだよね……


「よぉっ!遅かったな!」


いつものように軽く彼が挨拶してくる。

いつもは無視して、通り越す。

けど、今日は違う。


「まず、人が帰ってきたら『おかえり』くらい言うでしょ」


私が彼の目の前に立って話す。

すると彼は驚いたように


「おぉー!お前が遂に話してくれた」


と、少し喜んでいるように言った。

フフッ。なんか、子供みたい。


「あのさ、えっと、あんた、えっと、北条さん?は、どうして一ヶ月も、うちに通い続けるの?」


すると彼は

「もう、一ヶ月か!はえーな!」

といい、彼はニカッと笑った。

なんか、彼を見てるとすごく、すごく………

癒されるというか、落ち着くというか……何なんだろ


「で、なんでうちに来てるのさ」

わざと冷たく言ってみた。