「んー。まぁ、とりあえず〜」


あー。もー!とりあえずってなによ!とりあえずって!!

なんか、一緒にいるだけで、イライラする〜っ!

早く家に帰りたい……目の前なのに………


「俺は、北条拓也。お前の通ってる学校の隣にある北条学園に通ってる中等科1年だ。よろしく」


北条学園……通称、セレブ学園。

多分彼はセレブ学園のイケメン男子で、女子にモテまくりなんだろうな……さっきの様子から見てても……

まぁ、顔立ちもスタイルもよくて、身長もスラーってしててイケメンと思えば、イケメンなほうだと思う。


「所で君の名前は?」


は?なんで、初めて会った怪しー人に教えなきゃいけないの?


「あなたに名乗りたくはありません。私、お金持ち苦手なんで、あんまり関わりたくないので、要件はそれだけなら帰ってください。」


出来るだけ、怒りを抑えて、感情的にならないよう、冷静に言ったつもり。


「えっ?あっ。あのさっ!」


私はその言葉を無視して、彼を通り越し、玄関の前まで来た。


「それじゃ、さよなら」


「えっ!?まって!」


ガチャッ。

玄関が閉まる。

はぁー疲れた。

でも、

なんか、彼。ほんとに用があるようにも思えたな……


「もーいい!忘れよ!忘れよ!」