「お前…七瀬陽花?」
「…そうだけど……」
「ふっ。まさか同じ高校とはな。」
(何で鼻で笑ってんの!?ムカつく奴!!)
「そうだね…」
「じゃっ」

そう言って律は、そのまま私の横を通り過ぎようとした。

「え、あの…」
「なんだよ」
「体育館こっちだけど…もう入学式始まる
から…」
「は?入学式なんてそんなかったるいの出ねー
よ」
「ああ…そうなんだね…」

(やっぱり大っっっ嫌い!!!!!!!!!)




まもなくして、結衣と夏恋が戻って来た。

「陽花〜ごめんごめん!」
「………」
「陽花…?何かあった?」
「最悪…」



ー入学式式場ー


「ええええええええ!!!?
柴崎律も同じ高校!!!!!!??」
「2人とも!!声が大きい!!!」
「何それ…めっちゃ最悪なんだけど…」
「だよね…神様〜せめてクラスだけはどうか
別でお願いします…」
「まさか〜クラスは別っしょ!」
「まあ…そうだね!」


新入生が座る座席枠の、自分のクラスの所に、柴崎律と名前があったことを知るのは、まだちょっと先のこと。
そして、大嫌いな柴崎律と隣の席になることがわかるのも…



入学式が終わって、私達はあの桜並木を歩いていた。


「ああああ…もうダメだ私…」
「陽花しっかりして!明日から授業が始まる
のよ!」
「入学早々なんでこんなことに…
よりによって、なんで隣が柴崎律なのよ…」
「これほど運が悪いと、何かの前兆かと思う
わ…陽花に何も起こらないといいけど…」
「夏恋!変なこと言わないで!!
陽花に何も起こるわけないじゃない、ね?」
「うん…」





ガチャ

「あら、陽花おかえり~
入学式どうだった?結衣ちゃんや夏恋ちゃん
とか、何組だったの?」
「結衣と夏恋とは一緒のクラスだったの!!!
それは嬉しかった〜」
「それは…って?なんか嫌なことあったの?」
「…ううん、何でもない!」