家を出てみるとひらひらと桜の花びらが舞っていた。



この先はずーっと続く桜並木の道だ。



ラッキー、今日はなんかいい事あるかもな〜。桜を見ながらゆっくり行こう。



学校まであと少しのところまで来た時、十字路でうちの学校の制服をきた男子生徒がキョロキョロしていた。



お、男!どうしよ。嫌だ。



少し怖いからそのまま通りすぎよう。と思った時、



「すみません!あの、俺と同じ高校の制服ですよね?」



その男子生徒から声をかけられた。



あ〜、つかまった。どうしよう。とりあえず、返事しなきゃ。



「そ、そうですけど何か!?」



少し対応が冷たくなってしまった。と思ったのに、その男子生徒は嫌な顔せず笑顔で



「あ〜!よかった〜!」



と言った。



「実は俺、道に迷っちゃって、この先どう行けば有栖学園に行けるかな?」



そうか、道に迷ったんだ。1年生かな?でもタメ口だし。それにしてもなんだろうこの人…。



透き通るような黒い目。サラサラの髪の毛。スラッとした高い身長。これは、、



俗に言う『イケメン』だろうか。



美緒が見たら一目惚れだな。



なんて思いながらもはっとする。



この人は道を聞いてきたんだった。てゆーか、お・と・こ!!



キョトンとしながら私の顔をのぞき見てくる。



「どうしたの?」



「あ、あ〜、ごめんなさい。この道をまっすぐ行ったところにありますよ。それじゃぁ、私はこれで失礼します!」



「あ、あ待って!」



その声に振り向くと綺麗な顔が目の前にあった。びっくりして声も出なかった。



「っ…!」



「あ、びっくりさせてごめん。はい、桜の花びら髪についてたよ。」



そう言って私の髪についてた桜の花びらをとってくれた。



「それから、ありがとう。」



「ど、どういたしまして。」



その男子生徒はフフッと小さく笑ってから歩いて行った。



ど、どうした私。なぜこんなに焦っている。今日の私はすごい。男と話してる!




私の心臓はトクトクと小さくなりほっぺたが少し熱くなっていた。