「お母さん体調は?」
「大丈夫よ」
お母さんはそう笑って私をベッドの側の椅子に座るように手招きする。
私はそれに従って椅子に座った。
「着替えとか、持ってきたよ」
「ありがとう」
お母さんに着替えの入った袋を手渡すと、ほっと一息ついた。
よかった、元気そう。
だけど包帯や絆創膏が痛々しい。
「何があったの?」
お店で。
「んー?何ってそんな大した事じゃないわよ。
優衣も聞いてると思うけど、暴力事件よ。
うちの店に暴力団がきてそれに巻き込まれただけ。」
なんで暴力団なんて………
「他の従業員の子がそこの人たちにお金を借りていたみたい……
それでなかなか返さないからお店に乗り込んできたんですって」
お母さんはそう涼しい顔をして話すが、お母さん何も悪くないじゃない……。
なのに一番大怪我って……
「もう、本当に心配した………
夜中に電話があって飛んできたらお母さんが事件に巻き込まれたって………」
私はそう言って肩を落とす。
お母さんはそんな私をみて笑い、私の手を握った。
「ありがとう、心配かけてごめんね」
「私こそ、ごめんね」
「なんで優衣が謝るのよ?」
「だって……」
「優衣は悪くないよ、私が自分で巻き込まれただけなんだから」
「うん…………」
お母さんの笑顔を見ていたらなんだか安心してしまって。
「なんで泣いてるのよ~!」
「えっ、…ホントだ」
気づいたら目から涙が流れていた。

