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ピンポーン


家のチャイムの音で目が覚める。



『優衣ー??』


……花音?



私は起き上がると時計を見る。


あれ……11時。

目覚まし時計かけたのに………


それすら気づかないくらい深い眠りについていたのか……



ピンポーン


『優衣いるなら返事してー?』


あ…花音。


私は慌てて起き上がると玄関に駆けて行き、ドアを開けた。

「優衣っ」


すると途端、花音が私を抱きしめた。


「花音?どうしたの?」


突然の事で頭がついていかない。

寝起きだし尚更。


「どうしたのって…
おばさん、大丈夫なの?お母さんに連絡がきて優衣が心配で…」


花音のママに?


…………


「お母さん、目が覚めたの!?」



じゃないと、花音のお母さんに連絡がいくなんてありえない。


「みたいだよ、つい10分前くらいに連絡が……」



お母さんの目が覚めた!!

私は花音の声を聞きながらそのまま家の中へ入ると適当にジーパンとニットをきてコートを羽織った。


そして、手の中にずっとあった隼からのネックレスをポケットにしまうとお母さんの着替えとお財布などの入ったカバンを手に取り家を飛び出した。


「優衣!?どこいくの!?」


「お母さんのとこ!」


行かなきゃ!!


「もう、優衣っー!」

花音ごめん。


今はお母さんの顔を見たい。



後ろで私の名前を呼ぶ花音を置いて私は駅まで走った。


そしてそのまま病院へ向かった。