『先ほど、お母様の勤務していたお店で暴力事件がありましてその時にお母様がその暴力団の拳に当たってしまい意識を失いまして……他の従業員は軽傷ですんだのですかお母様は重症でして……そして倒れた時にガラスの破片の上に倒れてしまったようで、体のあちこちにまだ破片が……』
お医者さんは悪くない、ただ事実を私に伝えてくれただけ。
今週は、お母さんがあの店へ勤務する最後の週だった。
こんなことになるなんて……
頭が追いつかない。
私は今、お母さんが寝ている病室でお母さんの寝顔を見ながら側に座っている。
「お母さん………」
顔には包帯に絆創膏。
腕にも包帯が巻かれている。

