ーーー 「優衣、帰ろう」 「うん!」 終業式も無事終わり、隼が誰もいなくなった私のクラスに迎えに来てくれた。 花音が塾に行くことを伝えると、隼は少し驚いて言った。 「そうなんだ、みんな大変だね。 駿も夏期講習受けるって」 「え、駿くんも?」 「なんだか置いてかれる気分」 「わかるそれ」 「ね。あ、優衣は塾とか行くの?」 「いや、予定はないよ」 「俺も、じゃあ夏休み中たくさん会えるね」 隼が嬉しそうに笑う。 「うん!」 それに釣られて私も笑顔でうなづいた。