―――ガラガラ





………ん?




私達のクラスの扉が開く



入ってきた人に私は目を丸くした










何たって入ってきた人はあの、【王子様】だったからだ





なんであの人が、私のクラスに?


私のクラスは1年3組




でも彼は1年1組




……のはずだけど






【王子様】は茶髪の髪の毛を揺らし大声でこう言った



「小馬田 音桜っている?!」



………へ?


ウ、ウソっ…?!



今私の名前、呼んだ?!





な、ナワケナイヨネ…







震える体を無理やり抑え、恋愛小説に目を通す





聞かなかったフリをしよう…








「あっ、君じゃない?」





ビクッと私の体が反応する





おそるおそる上を見る






そこには【王子様】が立っていた






うっ、女子の視線が痛い……



睨まれてるよね…
















静まり返った教室に私は耐えきれず、小説を叩きつけ、教室から走って出た











……と言うか、もう勝手に体が動いていた













恋愛小説のようにうまく行かない






―――――――いきたくても、体が思うように動かない