「・・・ぁ。なんで?」
闇夜の中、静かな住宅街に一つの影。
一刻も早く逃げなければいけない、こんなはずではと思って後悔してももう戻らない思い出と日々。
軽率な行動が、このすべてのきかっけとなる。
「全然違うじゃない!?」
似つかわしい程に恐怖に飲まれた少女、一貫して走り続けるだけ。
友人達ははぐれたというより、殺されたのがいいだろうか。
やっとのことで最後まで来た云うのに、あの怪物は餌をおびき寄せるためのものだっただろか?
タッタッタタ・・・
「ネェ、ナンデニゲルノ?イッショイヨウヨ」
姿見えぬ相手、振り切るには大変だろう。
ましては、真夜中に一人では尚更のことだが。
「フフフ、ネェ。ワタシノコトスキ?」
「こんなはずじゃ・・」
駆り立てられるこの行動こそが死への道に自らを進ませていく。
今もまだ誰も気が付かない、一つの答えこそが逃れられる術だということを。
どんなににげたとしても追ってくる。
こんな最後とは考えてもいないだろう。
「お願いだから、たすけ・・・」
叫んだ瞬間、意識が遠のいた。
最後にみた光景は、不敵に笑う少女だけであった。
そして、漆黒の闇に囚われ永久にあそばれるだろう。
二度と、日の目を見ることはない。
苦痛の波が押し寄せるだろう。
たとえ、死んだとしても・・・。
「ゼッタイワタサナイ。ワタシノモノ」
「ナナツソロワナカッタ」
