俺達はカフェを出た。
梨花《今日はありがとうね》
レイ【こちらこそ】
梨花《このあとどうする?》
レイ【あ、俺帰るわ】
梨花《え、帰るの?》
レイ【明日早いんだよね。】
梨花《撮影?》
レイ【いや、収録】
梨花《そっか、わかった》
レイ【じゃあな。】
レイが帰り道を歩き始める。
そのとき、梨花がレイの腕を掴んだ。
レイ【どうした?】
梨花《レイ、最近おかしいよ?
冷たいし、話もちゃんと聞いてくれてない。なにが あったの?どうしたの?》
レイ【なにもないけど?】
梨花《なくないでしょ!!なにもないのになんで態度とか 全部変わっちゃうの?ねぇ、ちゃんと言っ…》
レイ【なにもねぇって言ってるだろ!?】
レイが少し声を荒らげた。
レイ【ごめん。】
レイは帰り道を足早に帰っていった。
梨花はその場に立ち尽くしていた。
◎梨花side
やっぱり絶対おかしい。
絶対絶対。前のレイじゃなくなってる。
前は、お家に連れてってくれたり、
デートも誘ってくれたし、キスもいっぱいしてくれた。
なのに、どうして。
どうして?レイ。なにがあったの?
教えてよ、どうしたの?
他の女の子のこと好きになった?
私じゃなくて、レイの目の中には違う女性がいるよね。
やだよ。レイ。私にはレイしかいないんだから、。
梨花はタクシーを拾った。
梨花《とりあえず道なりに進んでください。》
運転手[わかりました。]
運転手[お客さん、どうされましたか?]
梨花《え?》
運転手[涙が…]
梨花《あぁ、ドライアイなんです》
運転手[そうでしたか…]
知らない間に泣いてたんだ。
なんか、変な感じ。
あ、LINE送っとこ。
家に着いたころ、レイからの返信が来た。
『おう。こっちこそごめんな。また遊ぼうな。』
たった3言。
何気ない一言だけど、涙が溢れて止まらなかった。
やっぱり、前のレイじゃない。
文面から伝わってきた。
前のレイではない。そう確信した。
◎レイside
ごめん。本当にごめん。
梨花、ごめんな。
あんなこというつもりなかったのに。
もっと優しくそんなことないって言えたのに。
梨花がいるのに違う女に恋するとか
まじ考えられないよな。
本当に最低な奴だ。俺は。
そのとき、LINEの通知が来た。
梨花からだ。
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今日はありがとうね。最後はごめん。
やっぱり私の思い込みだったみたいだね。
もう忘れて大丈夫だから!
じゃあ、またデート行こうね!❤
梨花
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なんて返せばいいのか分からなかった。
しばらく考えて送った言葉は、3言。
ごめんな。本当に。
前みたいに返せなくなるなんてな。
嫌いになったわけじゃない。
でも、なんか、違うんだよな。
ごめんな、本当に。
ごめんしか、言えないのも、ごめんな。
