朝餉の支度にサクタが起きなくて
平隊士に作らせた

永倉まで、2人して寝坊かよ


体調崩してたサクタはともかく


永倉は、拳骨だな



「真結が……目覚めない」



サクタを抱き起こし、憔悴している永倉が
今にも泣きそうな顔で言った


まさか



サクタの首に手を当てる


「生きてる 呼吸もある 心配ねぇだろ」


「それが… 真結… 透けてて
消えそうだったんだ…」




「うっ」



サクタが小さくうなり


目を開けた




ポンと永倉を突き飛ばし

俺たちを交互に見る

そして、俺たちを警戒しつつチラチラと
廻りを確認する


「何ここ 江戸時代っぽい
木造に、刀、侍みたいな人
ちょっと! 今、何年?」

「元治元年だ」

「げんじ?って、いつ頃?」

「真結!」

「なんで、名前知ってるんだよ?」






「永倉、幹部集めろ」

「……」

「行けって!」

「……おぅ」







とりあえず、布団をどかし

向かい合う

サクタは、肝が据わってる

心中穏やかじゃないだろうに



ぞくぞくと集まる幹部らをチラチラ見る
そんなサクタに、確信する


「ここにいる奴らで、知ってる奴いるか?」


「いない」


皆が、ぎゃあぎゃあ言い始める


「真結ちゃん!宗次郎ですよ!」

「サクタ!!ヘンな冗談やめろって!」

「本当!笑えないからな!」



「あんたら誰?何で、私を知ってんの?」



サクタにこの数ヶ月の話を聞かせた


「新選組は、知ってるけど
意味わかんない… 帰りたい
どうしたら、未来に戻れるの?」


「サクタ 新選組しってんのか?」


「歴史は、苦手だけど
新選組は、有名だから知ってるよ
青い羽織のやつでしょ!」





サクタは、俺達を知っていたのか