「マジか~」


中山さんのこの台詞を何度聞いたか

自己紹介の度、感動しているようだった



それにしても…




私達、たまたま道着を着ていたから
良かったけど




なんで、中山さんまでタイムスリップ…



「俺も、新選組で働かせて下さい!」



マジか!?

中山さん… 


今、猛烈に疑われているって
気づいてないの?


「刀は?」

「ありません!」

「腕前は?」

「サクタより強い!」

「ほぉ~」

「中山さん!私、女中なんです!
中山さんも女中しましょうよ!」


何やら話が進みそうなので
慌てて止めに入る



「サクタ… これが夢じゃないなら
俺は、新選組に命かけたい!」



中山さんの目は、輝いていた


私を誘いに来たときの
土方さんと同じ目…



綺麗な 狼の目



「サクタの知り合いみたいだし
いいだろう!
特別に試験無しで入隊を認める
刀は、用意するまでサクタのを借りろ」


「はい!ありがとうございます!!!」




知り合い…


知っているくらいで

友達だったわけでも

会話するほど仲良しだったわけでもない



中山さんを私は、よく知らなかった







「俺、本物の刀で腕を試したかったんだ」











この言葉を聞き、知りたくないと思った

新選組の人とは、志が違う

そう思ったから…