「荒木田…俺は、あまり利口じゃねぇ
だが、鼻は利く
目立ったことするなよ?」


いつもの原田さんじゃなかった
獲物を見つけた獣の様な目


「サクタ…怪しまれたくなければ
新八と行動を共にしろ」



荒木田が間者だと、バレてるんだ…




「原田組長~そんな怖い顔して
まるで、俺が間者みたいじゃないですか」


「確信して言ってるんだ
サクタを巻き添えにするな
これは、忠告だ
先に屯所に戻れ」



荒木田が去るのを見届け


「今のところお前は疑いを掛けられてねぇ
だが、怪しい行動は慎め」


「原田組長 
間者って、悪い人なんですか?」


「悪いっつーか、敵だ」


「心変わりして、新選組がいいって言っても
それでも悪い人なんですか?」


「サクタ… お前、裏切られたことあるか?
信じていた奴に裏切られても
そいつが悪い奴じゃねぇって言えるか!?」


「そんなのわかりません!
でも、新選組の仲間が裏切るとか
悪い人だと思いたくないんです!」


原田さんは、私の頭にポンと手を乗せ




「その気持ちは、大事だな
帰るぞ」




笑った


原田さんが、私を信じてくれていると
言っているようだった