新選組を拝命した頃


「サクタ…お前、俺たちと来ないか?」



入隊してから仲良かった荒木田が
散歩に行こうなんて誘うから
なんだろうと思ったら
まさかの、脱走のお誘い


「荒木田… まさか… 間者?」


まるで、芹沢さんのように大爆笑
真面目に聞いてるんですけど


「そんな事を直接聞くなよ!
お前、俺じゃなかったら斬られてるぞ!」


「は?じゃあ違うってこと?」


「違わない… でも、間者としての仕事をする気は、端から無かったんだ」


「上司の命令なのに?」


「ああ サクタと仲良くなれたからかな」


「私、関係あるか?」


「あるさ!人を欺きたくない!
サクタ見てたら、そんな気になった!
だから、ここからも、向こうからも
逃げて新しい道を進みたい!!!」


「ふぅーん」




荒木田は、清々しい顔してる
きっと、本心なんだろうな



しかし、荒木田と歩いていると



きゃあきゃあ言われる



「荒木田がお洒落なせいだな!」

「ばぁーか、お前の顔だろ!」



私達、モテるらしい



私… この時代でいう
美丈夫らしい



「よう!お前ら、仲良いな!」


って、声を掛けて来たのは原田さん


「どーも」

「こんにちは!」



この原田さんも、モテる顔


なので



「人気のねぇとこ行こうぜ!」




ということで

本当に誰も来なさそうな
ここ、森なんですけど