少し近づいてくる悠くんにぐっと顔を寄せ、 ──私は悠くんにキスをした。 「っ、莉咲」 驚いた様子の悠くんから一向に離れない私。 私、何やってるんだろう。好きな人を困らせるなんて。 こんな醜い自分がいるなんて、知らなかった。 「ごめんね」 「なにが?」 なにが?と言われても答えるべき言葉が見つからない。何がごめんねなんだろう。 「悠くんっ、教室戻ろ」 精一杯微笑んで優くんの腕を引っ張った。