ザザッ






風はまだ少し冷たいけれど
太陽はポカポカしていて心地のいい気温だ。






風が吹く度にひらひらと舞い降りてくる
桜の花びら。


そしてコンクリートに散りばめられた桜たち。







それはまるで進級する私たちを、
これから入学してくる子達を歓迎しているようにも思えた。






__ グスッ...






この輝かしい日に
不釣り合いな声が聞こえた。






誰か泣いてる...?






お節介なのか、ただの好奇心なのか...




自分でもよく分からない感情に動かされて
その声の方へ向かった。