ーー第二楽章ーー 素敵な出会いがあった翌日なのに、いつもと何ら変わらぬ朝が来た。 陽菜と優希葉と駅で待ち合わせをして、一緒に登校する。 「……それでさあ、香織ちゃんっていう舞妓さんがね」 舞妓ファンの優希葉が熱く語っているが、これはいつものこと。 三人でいる時が学校生活の中で一番楽しい時間だ。 電車とバスを乗り継いで、学校につく。 教室のドアを開けてみるとあら不思議。 確実に昨日までとは異なる空気で溢れていた。